登山を始めるために、登山靴の購入を検討中の方もいらっしゃるのではないでしょうか?
しかし、たくさん種類のある登山靴の中から、自分に合ったものを選ぶのは容易なことではありません。
靴の見た目だけで選んでしまうと後で後悔する羽目になりますが、本記事では、なぜ登山靴を選ぶときにフィッティングが必要なのか、どうすれば最適な登山靴を見つけるための正しいフィッティング方法が行えるのかをご紹介します。
1.登山靴のフィッティングが大切な理由は?
ひと口に登山靴と言っても色々なメーカーの靴があるため、どれを選べば良いか迷ってしまう人も少なくないようです。
登山靴を選ぶときにインターネットの評価を参考にすることもあるかもしれませんが、たとえ評判の良いメーカーや人気ブランドの登山靴だったとしても、フィッティングをせずに購入することだけは避けましょう。
1-1.安全に山歩きをするため
安全に山歩きをするには、登る山に合った登山靴を履く必要があります。
登山靴は主に3つの種類に分けられており、ソールの柔らかいローカット、ハイキングなどにおすすめのミドルカット、険しい山道を歩くときに最適なハイカットです。
ただし、山に合った登山靴ならどれを選んでも良いという訳ではありません。
同じミドルカットの登山靴でもメーカーによって形が異なりますから、靴を選ぶ際にはフィッティングをすることが大切です。
1-2.登山レベルをアップするため
難易度の高い山に挑戦するのは、登山の醍醐味なのではないでしょうか。
山に登るのが登高能力を上げる一番のトレーニングですが、ふさわしい登山靴で登山するためにもフィッティングは必ず行わなければなりません。
1-3.足の形に合った登山靴を選ぶため
舗装された道路とは違い、山道はデコボコしていて滑りやすい場所が多いですから、疲労防止やケガ予防のためにも自分の足にフィットする登山靴を履く必要があります。
自分の足の形に合った登山靴を選ぶときにはしっかりフィッティングを行い、ソールの硬さと足首が固定されるかどうかを確かめることが大切です。
2.登山靴をフィッティングする前の注意点
登山靴選びに欠かせないフィッティングですが、登山・アウトドア専門店に行く際には下記の点に注意しましょう。
2-1.時間がたっぷりあるときにフィッティングをしよう
登山用ウェアやリュックなど色々ある登山グッズですが、中でも登山靴は登山の「相棒」です。
大切な相棒となる登山靴を見つけるには、何足もの靴をフィッティングしなければなりません。
少しでも妥協すると登山を楽しめないどころかケガをする原因になりますから、登山靴選びには時間に余裕のある日がおすすめです。
2-2.登山用ソックスを用意しよう
登山するときには登山用ソックスを履きますから、フィッティングするときには登山用ソックスを履いてフィット感を確かめる必要があります。
登山用ソックスはふつうのソックスとは異なり、重荷で歩きやすく疲れにくい作りになっているのが特徴です。
お店にもフィッティング用のソックスが用意されていますが、自分が普段使用している登山用ソックスを持参するほうが登山靴との相性を確認できるでしょう。
2-3.インソールも一緒に探そう
登山靴にインソールを入れると、さらに快適に山歩きを楽しめます。
インソールには保湿性や断熱性のあるタイプ、クッション性が高くて疲れや痛みを軽減するタイプ、そしてアーチを支えて体のバランスの崩れを整える補正系タイプがあります。
足幅が狭かったり、足の甲が低かったりして靴が合わないときには、ハーフインソールやフルインソールでサイズ調整が可能です。
山歩きは足が痛くて歩けなくなると続行できず、場合によっては命に関わるケースもあるでしょう。
安全に登山を行うためにも、登山靴を購入する際には足をサポートするインソールの同時購入をおすすめします。
3.登山靴の正しいフィッティング方法
最適な登山靴を選ぶためにも、正しいフィッティング方法を知っておくことは大切です。
登山初心者なら、登山・アウトドア用品専門店のスタッフにアドバイスを求めながらフィッティングを行うと良いでしょう。
3-1.登山靴に足を入れる
足全体をしっかり登山靴に入れるためにも、靴紐をつま先のほうまで緩めてから靴を履きます。
足が入ったら、足首と登山靴がちょうと直角になるようつま先を上に向け、かかとで地面を叩く要領で「トントン」します。
3-2.靴紐を引っ張って締め上げる
かかとを登山靴のヒールに合わせ終わったら、靴紐を締めていきます。
靴紐を締めるときには、クロスさせる度に紐を引っ張ると甲の部分までしっかり締まります。
甲がきつく感じるくらいが丁度良いと覚えておきましょう。
足首部分まできつく締め上げたら、フック部分は適度に締まる程度に締めていきます。
その後、タンを押し出して圧迫感を軽減します。
3-3.圧迫感がないか触ってチェック
靴紐を締め上げながら靴を履くと少々圧迫感があるかもしれませんが、最適な登山靴は靴の中で足がズレないほどの締め付けがあることが重要です。
ただし、サイズが小さすぎると足が痛くなるだけでなく、登山中に足の爪が割れてしまうことがあります。
適度な締め付けが必要とはいえ、最適な登山靴は地面を踏みしめたり踏ん張ったりするためにも、靴の中で足の指を動かせなければなりません。
そのため、足の指が動くかどうかも忘れずに確認しておきます。
登山靴を履いた状態の足を手で触ってみて圧迫感が強すぎる、痛みがある、立つと足首の部分に違和感があるなら靴が合っていない証拠です。
さらに靴のつま先部分につま先を合わせた状態で、かかと部分に指が1本入るかどうかチェックします。
このときに、指を無理して入れなければならない靴は選ばないようにしましょう。
3-4.傾斜台で履き心地をチェック
靴が足に合っているかどうかは、実際に着用する場面で履いてみないとなかなか分からないものです。
ですから、フィッティングするときには、登山靴を販売しているお店に用意されている傾斜台を利用して靴の履き心地を確かめる必要があります。
その際には、下るときにつま先が当たっていないか、登るときにかかとが浮いていないかなどを確認しながら、色々な動作を行ってみると良いでしょう。
3-5.何足もフィッティングをしてみよう
登山靴のフィッティングは面倒かもしれませんが、ふさわしい靴にめぐり合いたいのであれば、たった一足のフィッティングだけで満足しないようにするべきです。
同じ種類の登山靴でもメーカーによって履き心地は異なりますし、国内ブランドと海外ブランドでもフィット感が違うといわれています。
たくさんの登山靴をフィッティングすることに、尻込みすることはありません。登山靴専用販売店なら、フィッティングがどれだけ大切なことかを理解しているでしょう。
もし何足もフィッティングすることに気後れするなら、登山靴のインソール取り出してから自分の足に合わせ、ぴったり合ったものだけフィッティングすることをおすすめします。
4.まとめ
時間に余裕がなかったり、面倒だったりするとフィッティングがおろそかになってしまう場合があるようです。
ですが、登山靴選びのときに正しいフィッティング方法で履き心地を確認しておかなければ、靴擦れやマメができてしまったり、爪が割れたり剥がれたりする恐れがあります。
登山を安全に楽しむためにも、ぜひ正しいフィッティング方法で選んだ登山靴を履くようにしましょう。
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