靴の中にインソールを敷くことで、足の痛みや不調をはじめ、膝の痛みや腰痛などの改善を期待できます。
効果を実感できるかどうかは、インソール選びにかかっているといっても過言ではないでしょう。
本記事では、インソールの役割に加え、土踏まずをサポートするインソールがおすすめな人、インソールの選び方のポイントについてご紹介します。
1.インソールの主な5つの役割
靴の履き心地をよくするインソールですが、インソールの役割は快適さの追求だけではありません。
下記に、インソールの主な役割をご紹介します。
1-1.ケガを予防する
小さいサイズの靴や大きいサイズの靴を履いていると、足の指にうまく力を入れられず、転んでケガをする恐れがあります。
とくに、足の指が靴底に付かない浮き指と呼ばれる状態は、バランスを崩す原因になるため危険です。
しかし、インソールを活用すれば、足の指にしっかり力を入れて踏ん張れるためケガを予防できます。
1-2.疲労軽減効果
足の裏には三脚のような役割をするアーチ状のくぼみがあり、この部分が体全体を支えています。
長時間歩いたり立ったりすると疲れますが、足裏のアーチをサポートするインソールを使用すれば、足に掛かる負担を減らせます。
とくに、土踏まず(内側縦アーチ)をサポートするインソールは、足の裏を正常な状態に保つので歩きやすくなり、疲労を軽減してくれるでしょう。
1-3.靴のサイズを調整する
既製品の靴を自分の足にぴったり合わせたいなら、インソールを活用しましょう。
大きめの靴を履いていると歩きにくいだけではなく、姿勢が悪くなったり、足の変形に繋がったりします。
インソールは大きめの靴のサイズを調整し、快適な履き心地を実現させます。
1-4.靴の中を消臭する
靴の中が高温多湿になると、雑菌が繁殖して嫌なニオイがするようになります。
消臭効果のあるインソールを使用すれば、気になる靴の中のニオイを消すことができるでしょう。
ちなみに、サイズの合わない靴を履くと足が圧迫されたり、力んだりして汗を掻きやすくなるため、靴の中のニオイがきつくなるといわれています。
1-5.防寒効果
寒い時期には靴底からも冷えを感じるものですが、インソールを入れることで防寒効果が得られます。
体が冷えると血流が悪くなるほか、免疫力が低下するなどして体調不良や病気を引き起こす場合もあるようです。
「万病のもと」と呼ばれる冷えから体を守るためにも、インソールを活用しましょう。
2.土踏まずをサポートするインソールを使用したほうが良い人とは?
ひと口にインソールといっても、その種類はさまざまです。
自分の足の状態や目的に合わせたインソールを活用することが大切ですが、ここでは土踏まずをサポートするタイプのインソールがおすすめな人をご紹介します。
2-1.足底筋膜炎にかかっている人
土踏まずを支えている足底筋膜に炎症を起こすと、足底筋膜炎になります。
足底筋膜炎になるとかかとの中央や内側に痛みが生じますが、土踏まずをサポートするインソールを活用すれば、足にかかる衝撃を緩和して痛みを軽減してくれるでしょう。
2-2.長時間立ち仕事をしている人
長時間立ち仕事をしている人の足は、大きな負担がかかっています。
クッション性が高く、かかとが固定されるタイプの靴を履くなら、足の痛みの軽減に役立つでしょう。
さらに、土踏まずをサポートするインソールを活用することで、足の痛みや疲れを和らげることができます。
2-3.踏み込みの激しい運動をする人
ランニングをはじめ、サッカーやテニスなど踏み込む動作が激しい運動は、足を痛めることが多いようです。
足裏の痛みをかばいながら運動を続けると、ケガをする可能性が高くなります。
土踏まずをサポートするインソールを使うことで、ケガの防止はもちろん、運動のパフォーマンス向上が期待できるでしょう。
2-4.偏平足の人
土踏まずが潰れた状態である偏平足の人は、重心移動がスムーズに行えず、バランスを崩しやすいといわれています。
また、足裏が平らなため、足裏アーチのクッション作用がうまく機能しません。
すると、地面からの衝撃が吸収できず、足や足関節、膝関節や腰などに負担がかかることになります。
土踏まずをサポートするインソールを活用すれば、偏平足の改善が見込め、足の変形が進行するのを止めることが可能です。
2-5.年配の人
加齢とともに足の筋力が衰えると、足底筋膜炎になる人も増えるようです。
ところが、足が痛いからと歩かないでいると、ますます筋力が衰えて悪循環に陥ってしまいます。
土踏まずをサポートするインソールは、足裏の痛みを軽減できるため年配の人にもおすすめです。
2-6.ハイアーチの人
足の甲部分が高く、土踏まずが地面に接していない状態の足をハイアーチと呼びます。
ハイアーチの人は、足裏が支える体重を分散するためにも土踏まずをサポートするインソールを使うようにしましょう。
そうすることでタコができたり、外反母趾になったり、足底筋膜炎になったりすることを避けられます。
2-7.外反母趾・内反小趾(ないはんしょうし)の人
外反母趾とは、足の親指の付け根が外側に飛び出すことです。
一方、内反小趾(ないはんしょうし)とは、足の小指の付け根が外側に飛び出すことを指します。
どちらも痛みを伴う足の変形ですが、土踏まずをサポートするインソールを使用することで痛みを軽減できます。
2-8.モートン病の人
モートン病は、足の指の間を通る神経が圧迫されて引き起こされる神経障害です。
足の指や足の甲部分の痛みやしびれが主な症状ですが、外反母趾が原因の場合には、土踏まずをサポートするインソールを使うことで改善を期待できます。
ほかにも治療法として、薬物療法や手術療法が行われます。
2-9.膝の痛みや腰痛に悩まされている人
足裏アーチと足の指がうまく機能していないと、しっかりと地面を踏ん張ることができません。
すると、体の別の部位に力が入ってしまい、膝の痛みや腰痛の原因になります。
土踏まずをサポートするインソールを靴の中に入れておくなら、足と足裏だけで全体重を支えることができるため、膝や腰の痛みの緩和に役立つでしょう。
2-10.肩こりに悩まされている人
足の裏に痛みがあると、足をかばうようにして歩くため全身の筋肉が緊張し、肩こりがひどくなる場合があるようです。
しかし、土踏まずをサポートするインソールは足の疲労を軽減するだけではなく、足の裏の痛みを緩和して、つらい肩こりから解放してくれるでしょう。
3.インソールを選ぶときのポイント
足の状態や目的に合わせて選ぶなら、インソール選びで失敗することはありません。
下記に、インソール選びのポイントについてご紹介します。
3-1.疲労軽減には厚みのあるインソールを
靴底が薄い靴はクッション性が低いので足への負担が大きく、足が疲れる原因になります。
足の疲れを軽減するにはクッション性が高く、土踏まずをしっかりサポートしてくれる厚みのあるインソールがおすすめです。
3-2.運動するなら衝撃吸収タイプのインソールを
定期的に運動をしている人にとって、足のトラブルはぜひとも避けたいものです。
常に良いコンディションでいるためにも、足に負担のかからない衝撃吸収タイプのインソールを靴に敷いてみてはいかがでしょうか。
衝撃吸収タイプのインソールの中には、通常のインソールよりも重いタイプもありますから、メーカーを比較して購入することが大切です。
3-3.長時間着用するなら通気性に優れたインソールを
通気性に優れたインソールは、1日中靴を履きっぱなしだという人におすすめです。
長時間靴を履くと、汗を掻いたり、靴の中が蒸れたりして不快な履き心地になります。
雑菌を繁殖させないためにも、通気性に優れたインソールで靴の中を清潔に保ちましょう。
4.まとめ
適当に選んだインソールは、足の状態を改善するどころか悪化させかねません。
インソールの役割と自分に合うタイプのインソールを知っておくなら、足のトラブルを避けることに繋がります。
もし足の痛みや疲労を軽減したいのであれば、土踏まずをしっかりサポートするインソールを選ぶようにしましょう。
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