すぐに購入できる既製品と比べると、注文して作るオーダーメイドシューズは「ハードルが高い」と感じる人も多いようです。
オーダーメイドシューズと聞くと、おしゃれ上級者が着用しているイメージがあるかもしれません。
しかし、足の健康を第一に考えるなら、オーダーメイドシューズを作ることを検討してみてはいかがでしょうか。
本記事では、オーダーメイドシューズの種類とメリットに加え、注文から完成するまでの流れを詳しくご紹介します。
1.オーダーメイドシューズの種類と違いについて
大量生産される既製品とは違い、オーダーメイドシューズは自分の足に合ったシューズを作れるのがなによりの魅力です。しかし、ひと口にオーダーメイドシューズといっても、いくつかの種類があります。
1-1.世界でただ一足の『フルオーダーメイドシューズ』
フルオーダーメイドシューズは、採取した足形をもとに木やプラスチック樹脂で木型(靴型)を作成し、デザインから素材に至るまですべて顧客の要望に応えて作られるシューズのことです。
顧客ひとりひとりの足に合わせて木型が作られるため手間と時間が掛かり、オーダーメイドシューズの中でも一番価格が高いシューズとなっています。既製品の中に足に合うものが見つからない場合や足になんらかのトラブルを抱えている場合には、フルオーダーメイドシューズがおすすめです。
1-2.トライしやすい『セミオーダーメイドシューズ』
セミオーダーメイドシューズは、木型から作るフルオーダーメイドシューズとは違って、既存の木型を顧客の足に合わせカスタマイズして作られます。デザイン等があらかじめ決まっている場合が多く、完全なオリジナルではありませんが、フルオーダーメイドシューズよりも気軽に作ることができるでしょう。
1-3.おしゃれのためなら『パターンオーダーメイドシューズ』
パターンオーダーメイドシューズとは、既存の木型を使用し、用意されている素材や色から好みのものを組み合わせて作るシューズのことです。
セミオーダーメイドシューズとよく似ており、店舗によっては同じものを指す場合もあります。カラーやつま先の形、ソールの仕上げ方やヒールの素材などを選択できるなど、細かいカスタムができるため好みを反映させたシューズを手に入れることが可能です。
2.オーダーメイドシューズの5つのメリット
既製品よりも格段に値の張るオーダーメイドシューズですが、価格に見合うだけの価値があります。ここでは、オーダーメイドシューズのメリットについてご紹介します。
2-1.足の変形や病気を防ぐ
足に合わないシューズを履き続けると外反母趾や偏平足、魚の目といったさまざまな病気を引き起こします。
たとえサイズが合っているように思える既製品のシューズだったとしても、知らず知らずのうちに足が圧迫されていることも少なくありません。その点、足にぴったり合ったオーダーメイドシューズなら、痛みを伴う足の変形や病気を防ぐことができます。
2-2.障害がある足の歩行をサポート
すでに健康問題を抱えている足の場合、既製品のシューズでは歩行さえも難しいケースがあるかもしれません。
しかし、オーダーメイドシューズは個々の人の足の形に添って作られるため、健康問題をカバーして快適に歩行できるようサポートしてくれます。
2-3.長時間履いても疲れにくい
履き慣れたシューズだとしても、長時間着用することで足に負担が掛かることもあるようです。
足に負担が掛かるシューズを日常的に履いていると、膝や腰にも悪影響がおよぶほか、肩こりや頭痛といった不快な症状の発生に繋がります。
長時間着用するのであれば、足への負担を最小限に抑えるよう考えて作られたオーダーメイドシューズがおすすめです。
2-4.細部まで自分好みにカスタムできる
個々の人の足の形に合わせて作られるオーダーメイドシューズなら、細かい部分に至るまで如実に好みを反映させることができます。
デザインはもちろん、素材やカラーにまでこだわった履き心地抜群のオーダーメイドシューズは履けば履くほど愛着が湧き、末永く愛用できるでしょう。
2-5.周りに差のつくファッションが実現
足の健康を守ることだけが、オーダーメイドシューズの魅力ではありません。どんなに気に入って購入したシューズでも、既製品では個性を表現し切れないでしょう。
徹底的にファッションにこだわりたいのであれば、世界でただ一足のオーダーメイドシューズが最適です。
3.オーダーメイドシューズが完成するまでの流れについて
完成するまでに多大な手間と時間が掛かるオーダーメイドシューズですが、どのような工程を経て作られるのでしょうか?店舗によって若干の違いはありますが、オーダーメイドシューズが完成するまでの主な流れについてご紹介します。
3-1.カウンセリングと採寸
顧客の要望をしっかり反映したオーダーメイドシューズを作るには、カウンセリングが欠かせません。カウンセリングでは、足のトラブルや歩き方のクセを確認し、足の健康状態を見極めていきます。
採寸の際にはくるぶしの高さのほか、足長(そくちょう)と呼ばれるかかとからつま先までの長さ、足幅(あしはば)と呼ばれる親指の付け根にある突出した部分から、小指の付け根の突出部分までの長さ、そして足囲(そくい)と呼ばれる親指の付け根部分から小指の付け根部分までをぐるっと一周した長さを測ります。
3-2.木型の選定とデザインの決定
カウンセリングと採寸から集めたデータと顧客の要望をもとに、木型の選定とデザインの決定が行われます。
木型をフルハンドメイドする店舗もありますが、最近では、3D プリンターなど最新技術を駆使して木型を完成させる店舗が増えてきました。
手作業で木型作成する場合には、半年以上時間が掛かることもあります。
3-3.生地(革の種類)選び
靴の生地といえば牛革や馬革が定番ですが、革の種類は多く、それぞれに特徴があります。若い牛の革を使ったキップはきめ細かいのに弾力性があり、子牛の革を使ったカーフは丈夫で光沢が美しく、ダチョウを使ったオーストリッチは軽くて柔らかいのが特徴です。
ほかにも、通気性の良いピッグスキンや希少で個性的なエレファントレザー、年月を経るほど魅力が深まるパイソンレザーなどがあります。
3-4.シューズの製作
手作業による木型作成では、本製作に入る前に仮のシューズが作られます。
フィッティングをして、必要な微調整が施された後に、本格的なシューズ製作が行われます。
店舗ごとに異なりますが、セミオーダーメイドシューズの完成までには約2,3ヶ月、フルオーダーメイドシューズ(手作業による木型作成の場合)の完成までには半年から1年ほど時間が掛かるのが一般的です。
3-5.フィッティング・歩行チェック
オーダーメイドシューズが完成した後、注文店舗で履き心地の確認と微調整が行われます。
フィッティングと歩行チェックをして、問題がなければ納品完了です。
4.まとめ
足の健康を維持したいなら、慎重にシューズ選びを行いましょう。
オーダーメイドシューズを選ぶなら、シューズが原因の足の変形や病気を防ぎ、足の負担からくる腰痛や肩こりといった不快な全身症状の緩和に繋がります。
足は、生涯を通してお付き合いしなければならない大切な体の一部ですから、オーダーメイドシューズのような足に優しいシューズを選ぶようにしたいですね。
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