たくさんある足の悩みの中でも、臭いが気になる人は多いようです。靴を脱いだ瞬間に悪臭が漂い、恥ずかしい思いをしたという経験がある人も少なくないでしょう。老若男女問わず、誰もが足の臭いに悩まされる可能性がありますが、嫌な臭いの原因を突き止めることは足の悩みを解決するのに役立ちます。本記事では、足の臭いの原因と解決方法について詳しくご紹介します。
1.足が臭いのが悩み!原因を知って対策を
足からツンとすえた臭いがするのはなぜでしょうか?体臭の原因成分は数百種類以上も存在するといわれていますが、ここでは足の嫌な臭いの原因物質についてまとめてみました。
1-1.嫌な足の臭いは雑菌の仕業?
汗や皮脂、垢をエサに雑菌(皮膚常在菌)が繁殖すると体臭が発生します。足の裏には汗を出す器官である汗腺が1㎠当たり 300 個以上もあるとされており、両方の足の裏からは1日約200ml もの量の汗が出ているそうです。豊富にエサがある場所では雑菌の活動も活発になりますから、たくさん汗をかく足の臭いがきつくなるのも当然だといえるでしょう。
1-2.足の臭いの原因物質「イソ吉草酸アルデヒド」と「イソ吉草酸」
汗腺には、エクリン腺とアポクリン腺の2種類があります。エクリン腺から出る汗は成分の約99%が水なのに対して、アポクリン腺から出る汗は水や脂肪酸、脂質やタンパク質等が成分に含まれます。このように、それぞれの汗腺から出る汗は成分が違っているため、発生する臭いも異なるのが特徴です。
足の裏にはエクリン腺が数多く存在し、汗を出して体温調節を行う機能を果たしています。足の裏に汗をかくと最初は無臭ですが、時間の経過と共に雑菌が増殖して汗や皮脂などに含まれる成分が分解・酸化され、臭いの原因物質が発生します。足の裏の臭いの原因物質は脂肪酸の一種であるイソ吉草酸(3-メチルブタン酸)と、肌の表面(角層)中にあるアミノ酸が皮膚常在菌によって代謝されて発生するイソ吉草酸アルデヒドです。
1-3.病気が臭いの原因になる場合も
雑菌以外にも、病気が原因で足から不快な臭いがする場合もあります。細菌感染で起こる点状角質融解症やひょう疽、蜂巣炎(ほうそうえん)などは、膿が悪臭の原因となります。また、糖尿病や多汗症などが原因で、足が臭うようになるケースもあるようです。
2.足の臭いに悩まされやすいタイプの人とは?
臭いが足の悩みだという人の多くには、共通の特徴があります。足の臭いに悩まされやすいのは、どのような人なのでしょうか?
2-1.長時間靴を履く人
長い時間靴を履いて過ごすと汗が靴にしみ込み、雑菌が増えて臭いに悩まされる可能性があります。毎日同じ靴を履いているならなおさらです。雑菌が付着した靴を履き続けると足にも臭いが移ってしまい、脱いだ後に悪臭がすることがあります。
2-2.角質が厚い人
汗や角質が混じった垢を皮膚常在菌はエサにするため、角質が厚い人も足の臭いに悩まされやすいといえるでしょう。かかと部分の角質は主に乾燥と外部刺激によって厚く、硬くなっていきます。ケアを怠ると角質がたくさん剥がれ落ちるようになり、臭いをきつくする原因になります。
2-3.通気性が悪い靴を履く人
通気性の悪い靴は汗をかいてもすぐ乾かないため、靴の中が高温多湿になりやすいです。雑菌は高い湿度と温度、汗や垢などの栄養分がたっぷりあるところで活発に繁殖しますから、通気性の悪い靴は足が臭う原因になります。
3.臭いがひどい足の悩みを解決する10の方法
足の臭いでお悩みなら、下記の方法を試してみることができるでしょう。
3-1.通気性の良い靴を選ぶ
手入れの必要がほとんどない合成皮革の靴は、天然皮革の靴に比べるとキズや水に耐性があるので、日常的に履くのに適した靴です。しかし、合成皮革の靴は通気性が悪く、足の臭いが気になる人は避けたほうが良いでしょう。足の臭いを改善したいのであれば、合成皮革よりも天然皮革やその他の通気性の良い生地を使って作られた靴を選ぶことが大切です。
3-2.靴をローテーションして履く
毎日同じ靴を履いていると、臭いの原因である雑菌が増える恐れがあります。雑菌の増殖を抑えて臭いを改善するためにも、同じ靴を履き続けるのではなく、3、4足ほどの靴をローテーションで履くことをおすすめします。
3-3.消臭スプレーを使用する
靴用の消臭スプレーを使用することで、足の悩みを解決できることもあります。除菌効果のあるエタノールや銀イオンが配合されている消臭スプレーは、嫌な臭いのイソ吉草酸にも効果を発揮して足の臭いを抑えるのに役立ちます。
3-4.足を清潔に保つ
汗腺が多く、汗をかきやすい足ですが、常に清潔に保つようにすれば臭い対策を行うことができます。かかと部分の角質ケアはもちろん、足の爪の間の汚れも爪ブラシ等で取り除いておくと良いでしょう。皮脂を分泌する皮脂腺がない足の裏は、油分が出ないので乾燥しやすいのが特徴です。そのため、電動角質リムーバーやフットスクラブなどでかかとの角質を除去した後には、しっかり保湿を行う必要があります。
3-5.足湯をする
足湯をするときには、重曹を大さじ2、3杯ほど入れてみましょう。臭い物質は酸性、中性、アルカリ性に分けることができ、足の臭いのもとであるイソ吉草酸やイソ吉草酸アルデヒドは酸性です。酸性の臭いはアルカリ性の物質で中和すれば消えますから、弱アルカリ性の物質である重曹を入れた足湯は足の臭い対策に最適だといえます。
3-6.靴を洗う・ケアをする
足の臭い対策のためにも、靴を定期的に洗って清潔にしておくことをおすすめします。雑菌が付着したままの靴を放置すると、臭いが染みついて取れなくなるだけではなく、カビが生えてきます。靴を洗うときには、傷めてしまわないためにも素材や生地に合った洗剤を使用するようにしましょう。
3-7.靴を天日干しする
紫外線には殺菌・防カビ効果があるとされていますから、靴を天日干しすることで雑菌を取り除き、臭いがきつい足の悩みを解決できます。しかし、長い時間天日干しすると靴が傷んでしまうため、紫外線にさらすのは1、2時間程度に抑えておいたほうが良いかもしれません。
3-8.抗菌防臭タイプの靴下を履く
雑菌や足の臭いの原因物質は、靴だけではなく靴下にも付着します。嫌な臭いのする靴下を履いていると足まで臭うようになりますから、抗菌防臭機能のある靴下を履くことは足の臭い対策に効果的です。
3-9.消臭効果のあるインソールを使用する
足の臭いや靴の中の臭いが気になるなら、消臭効果のあるインソールを使用してみましょう。消臭効果のあるインソールには、臭いを吸着するタイプや中和するタイプのほか、香料で抑えるタイプなどが存在します。足の臭いの悩み対策には、抗菌や脱臭効果のあるインソールを選ぶのはもちろん、雑菌の繁殖を防ぐためにも汗を吸収・速乾する効果のあるものを選ぶことも大切です。
3-10.できるだけ靴を脱いで過ごす
靴を履くと中が高温多湿になりやすく、雑菌にとって居心地の良い環境が整います。そのため、状況が許すのであれば、靴を脱いで過ごす時間を増やすことも足の臭い対策になります。いつでも靴を脱げるようにするためも、スリッパを持参したり、代わりの履物を用意したりできるでしょう。
4.【まとめ】臭い対策をして足の悩みを解消しよう
足の裏はたくさん汗をかく部分ですから、誰もが臭いに悩まされる可能性があります。少しでも臭いが気になるなら、すぐに対策を講じることが大切です。足や靴のケアに力を入れるだけではなく、消臭スプレーやインソールなどのグッズも併用すれば足の臭いの悩みから解放され、お気に入りの靴を長持ちさせることもできるでしょう。
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