足のむくみは、特に女性の方の多くが抱える悩みの1つでもあります。
しかし、足のむくみは「時間が経てば治る」、「寝て足を休めれば次の日には治っている」といったように、なにかと放置されがちです。
足のむくみは、何かの病気や足の問題の前兆・サインである可能性も否定できません。
そのため、「ただの足のむくみ」と甘くみていては、手遅れになることもあります。
そこで、当記事では足のむくみの日頃の生活にひそむ原因から、放置することで巻き起こす病気の可能性、即効が期待できるマッサージ術を紹介していきます。
1.足のむくみとは?
足のむくみとは、足に余分な血液や水分が溜まってしまう状態を言います。
心臓から送り出された血液は、全身を循環していますが、全体の7割が足を流れていると言われています。
足は心臓から最も遠く、重力が働いているため、心臓へ自動的に戻ることができません。
そのため、ふくらはぎの筋肉は伸び縮みすることで、血液を心臓に戻すためのポンプのような役割を担っています。
つまり、ふくらはぎの筋肉の伸縮運動がなくなると、血液や水分は効率よく体内を循環することができなくなります。
こうして、血液や水分は心臓に戻れず、下半身に溜まってしまい、足のむくみに繋がってしまうのです。
2.生活の中に潜む足のむくみの原因
では、日々の生活の中で、どのような習慣が足のむくみにつながってしまうのでしょうか。
日々の生活を振り返り、チェックしてみてください。
2-1.長時間の座りっぱなし・同じ姿勢
リモートワークが増えている現代の世の中では、座りっぱなしが長時間続いたり、逆に立ち仕事で立ちっぱなしの時間が長いなどにより、ふくらはぎの伸縮運動が不足状態に陥ります。
そうすると、ふくらはぎの筋肉が本来の役割絵を果たすことができず、血液が心臓に充分に戻ることができずに下半身に溜まってしまい、足のむくみになります。
2-2.運動不足
運動不足は、ふくらはぎの筋肉の能力の低下・衰えにつながります。
筋肉の能力が低下すると、血液を心臓に送り返すためのポンプとしての機能も衰え、血液を充分に心臓へ送り返すことができず、血液は下半身にたまり、むくみにつながります。
しっかり日頃から歩くこと、適度な運動を行うことを意識して、筋肉の機能を衰えさせないことが重要です。
2-3.過度なダイエット・偏った食習慣
ダイエットによる食事制限や、偏った食習慣は、タンパク質やビタミン、ミネラルの不足を引き起こします。
これらの栄養素の不足は、筋力の低下を引き起こし、結果的にポンプ機能も低下し、血行が悪くなってしまうのです。
その結果、ダイエットをしているのに、むくみによって見た目があまり変化しないと言ったようなことにも繋がります。
2-4.塩分・アルコール過多
塩分の多い食べ物や、アルコールを摂取した際に喉の渇きを感じるかと思います。
塩分過多になると、体内の塩分濃度を元の数値に戻そうと、身体は水分をたくさん必要とします。
そして、アルコールは、血管内の脱水作用があるため、血液濃度が高くなります。
この血液濃度を元の数値に戻そうと、身体は血管内に水分をたくさん取り込むようになります。
この時に取り込んだ水分の一部が溜まってしまうことで、足のむくみへと繋がります。
2-5.冷え性
末端冷え性など、手足の冷えの主な原因は、血行が悪くなっていることです。
血行が悪くなると、体内を流れる老廃物や水分が正常に循環せず、溜まってしまうのです。
2-6.女性ならではの足のむくみ
足のむくみに悩んでいる方の多くは女性です。
これは、女性の身体特有の原因があります。
筋肉量
女性は男性に比べて筋肉量が少ないため、筋肉のポンプとしての機能である心臓に向かって血液を押し戻す働きが弱いのです。
そのため、足のむくみは女性に多く出てしまうのです。
ホルモンの働きによるもの
妊娠中や生理前はホルモンの働きによって、むくみが発生しやすくなります。
妊娠中は、血液中の水分量が増えるのです。
実に、妊娠経験のある女性の約3割が、妊娠中の足のむくみに悩まされたという報告もあります。
また、生理前には黄体ホルモンの分泌量が上昇するので、下半身に余分な水分が溜まりやすい状態になります。
3.放置は危険?足のむくみが病気の前兆かも!
足のむくみは、一過性のものと慢心的なものがあり、多くの場合が一過性であるため、「足のむくみ」は基本的に放置されがちです。
しかし、ただの足のむくみと甘く見ていると、身体の内部では密かに病気が進行し、手遅れになる可能性も0ではありません。
以下のチェックリストに当てはまる人は、足のむくみの原因が病気の可能性があるので、念の為病院を受診することをおすすめします。
3-1.危険な症状チェックリスト
- 1日中むくみが治らない。
- 数日間続いている。
- むくみの他に体がだるい・重い・痛いなどの症状がある。
- 足の血管のコブのようなものができている。
- 顔など、足以外もむくんでいる。
- 疲れやすい、休んでも疲労がとれない。
- 尿の頻度・量が減った。
- 急激に体重が増加した。
- 動悸・息切れが激しい。
3-2.足のむくみで考えられる病気とは?
上記のような症状がある場合は、一過性のむくみではなく、慢性的な足のむくみの可能性があります。
その場合、原因が何らかの病気である可能性も疑われるため、病院の受診・治療が必要なケースがあります。
心不全
心不全は、血液循環の中心でもある心臓のポンプ機能が低下し、それに伴って血液の循環が悪くなります。
足のむくみは心不全の初期段階から症状が出ると言われています。
心不全は命に関わる非常に重大な病気の一つなので、すぐに病院を受診することをおすすめします。
下肢静脈瘤
下肢静脈瘤は、静脈が逆流し、血液が下半身に溜まってしまうことで発症します。
静脈は、心臓から出た血液が、循環して心臓に戻っていくときに通る血管のことです。
足から心臓に向かって血液が戻っていくには、重力に逆らって静脈を進んでいく必要があります。
そこで、血液が逆流しないよう、足の静脈には「弁」がついています。
この弁が壊れてしまうことで、血液の逆流を防ぐことができず、下半身に血液が溜まってしまいます。
下肢静脈瘤になると、血管が網目状に透けて見えるようになったり、コブのようなものができたりします。
深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)
深部静脈血栓症は別名エコノミークラス症候群とも呼ばれます。
エコノミークラス症候群は、長時間の飛行機などで発症することが多いため、このような名前がつけられています。
主に、飛行機やバスなどの長時間移動、病気や老衰、怪我などによる寝たきり生活、災害時にも避難先や社内での生活を余儀なくされた場合に注意が必要です。
同じ姿勢を問う時間続けることで、足の静脈などに血栓ができてしまい、その場所で、血液の流れが悪くなり、血液が溜まってしまいます。
こうして、浮腫が起こります。
上記のような場面に遭遇した場合は、こまめな水分補給、ふくらはぎの筋肉を定期的に動かすことで予防にも繋がります。
4.即効!足のむくみを解消するマッサージ4選
足のむくみが出た場合は、まずはセルフでできるマッサージを試してみてください。
足のむくみは日頃の数分のマッサージで解消することができ、さらには病気の予防にもなるので、ぜひ試してみてください。
デスクワーカーにおすすめ!座ったままマッサージ
- 1.椅子に座ったまま、つま先をつけたままかかとを浮かせる。
- 2.かかとを床につけ、今度はつま先をあげる。
- 3.①〜②を交互に10セット行う。
休憩中などにできるマッサージ
- 1.椅子に座った状態で、右足を左足の太ももの上に乗せます。
- 2.右足の指の間に左手の各指を挟むようにして掴み、足首を時計回り・反時計回りに各10~20回程度回します。
- 3.右足の内側・外側をそれぞれ足首から膝に向かって手のひらで撫でるようにします。
このとき、強く押しすぎず、優しく撫でるように行いましょう。 - 4.左足も①〜③と同じように行います。
お風呂上がりの5分でできるマッサージ
お風呂上がりのマッサージでは、乳液などを足全体に馴染ませてから行うと、より高い効果と肌荒れ対策にもなるので、ぜひ利用しましょう。
- 1.足の各指の間に手の指を挟み、掴んだ状態で、足首を時計回り・反時計回りに各10~20回程度回します。
- 2.そのまま掴んだ状態で、足を前後に5秒ずつ倒してキープします。
- 3.足の裏の土踏まずの部分を、ツボを意識しながら押して刺激します。
- 4.足首から膝に向けて、手のひらで優しく圧をかけながら撫でるようにさすります。
このとき、静脈の血液の流れを促すように意識しながら行います。
お風呂は湯船にしっかり浸かって、体を芯まで温めることで、血液の流れが良くなり、マッサージの効果もより高まります。
椅子に座って作業しながらできるマッサージ
- 1.ゴルフボールを2つ用意します。
- 2.用意したゴルフボールを床に置き、椅子に座った状態で、足で踏みます。
- 3.足の裏でゴルフボールを転がすように、ぐりぐりと足の裏のツボを刺激します。
- 4.特に「湧泉(ゆうせん)」と呼ばれる、土踏まずのやや上にあるツボを刺激すると、血行や代謝も刺激してくれるため、足のむくみにも効果があります。
5.まとめ
足のむくみは、多くが一過性であり、日々のマッサージや日頃の生活習慣で治るものがほとんどです。
一方で、ほとんどが一過性であるために、慢性的なものや病気が原因の足のむくみが放置され、病気の発見が遅れたり、見落とされたりしてしまいがちです。
体の異常は何かしらのサインであることを理解した上で、日頃からできる対策をしっかり行いましょう。
また、それでも足のむくみが続く場合は、病気の可能性も疑われるので、専門病院を受診し、原因をしっかり突き止めることをおすすめします。
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