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反り腰は日本人の女性に多いとされている姿勢の特徴です。
反り腰が続いてしまうと腰痛の原因になるだけではなく、太ももが太くなったり将来的には腰椎変性すべり症や脊柱管狭窄症などの腰の病気を引き起こすような危険性があります。
今回は反り腰になってしまう原因から解決方法、日常生活上の注意点などを解説していきます。
そもそも反り腰とは
まずは、そもそもそり腰とはどのような状態かを確認していきましょう。通常であれば人間の背骨はS字カーブを描くような構造となっています。腰の部分はやや反っている状態が理想的と言われています。そり腰は呼び名の通り腰の部分にある背骨(腰椎)が過度に反り返ってしまっている姿勢となります。反り腰と一見似た姿勢に、腰が大きく前側にずれてしまう姿勢も存在します(Sway Back 姿勢)。続いてこの間違えやすい姿勢の違いを確認する方法をご紹介します。
反り腰のチェックポイント
続いて反り腰がどのような状態かを確認する方法を紹介します。壁があればどこでもできるチェック方法なのでぜひお試しください。
- 1) 壁から踵を5cm程度離して真っ直ぐ立ちます
- 2) 頭、背中、殿部を軽く壁にくっつけましょう
チェックはこれでおしまいです。
腰の部分に手の平が1枚以上すっぽり入る状態になっていると反り腰の可能性が高いです。
反り腰の方は体に何が起きているか
では反り腰になっている方は体に一体何が生じているのでしょうか。それは、骨盤が常に前に倒れてしまっている状態(骨盤の前傾)が定着していることが一番の原因となります。ではなぜ骨盤が前に倒れてしまうのでしょうか。ここには大きく3つの原因があります。
1)太ももの前側の筋肉が硬い
太ももの前側の筋肉が硬くなってしまうと反り腰になりやすいと言われています。太もも前の筋肉はほぼ全てが骨盤の前側に付着しています。太もも前側の筋肉が硬くなってしまうと骨盤が前側に引っ張られてしまう原因となり、反り腰の原因となります。ストレッチなどをして太もも前の筋肉の硬さを解消することで腰が反りにくくなるだけでなく、太もも周りがスッキリとして綺麗な見た目にも近づいていきます。
2)背中の筋肉が常に張っている
反り腰の方は常に腰の部分が硬く張っています。脊柱起立筋といった体を後ろに反らせる役割を持つ筋肉が硬くなってしまうと骨盤を前側に傾ける原因となってしまいます。背骨のすぐ横の部分がカチコチに張っている方はこの部分が硬くなっている可能性が高いです。この部分もストレッチやマッサージなどをして筋肉の硬さを解消していくことが必要となります。
3)お尻と腹筋の筋力が落ちている
3つ目の原因としてはお尻と腹筋の筋力が落ちていることです。これらの筋肉には骨盤が反る方向とは逆に骨盤を後ろに倒す作用(骨盤の後傾作用)があります。骨盤を後ろに倒す力が弱くなると骨盤の前後の歪みが強くなってしまい、反り腰を助長します。よって腹筋やお尻の筋肉を強化してバランスをとっていくことが必要になります。
女性がそり腰になりやすい理由
ではなぜ女性は反り腰になってしまいやすいのでしょうか。それは男女の骨格の違いや妊娠や出産などの経験が要因になり得ます。
1)男女の骨格の違い
同じ人間でも男女で骨格には違いがあると言われています。特に骨盤には男女差が大きいと言われており、男性の骨盤は縦長、女性の骨盤は横長になっていると言われています。女性の骨盤が横長になっている理由としては出産などで骨盤が開きやすい状態を作るためです。骨盤が横長になると腹筋の筋力が弱くなりやすいと言われています。腹筋の多くは肋骨や骨盤に付着しています。横長の骨盤では筋が伸びきったゴムのような状態になってしまい、筋肉が縮みにくい状態が長く続いてしまいます。そうすると筋肉に力が徐々に入りにくくなり筋力の低下を生む原因となってしまいます。
2)妊娠・出産の経験
妊娠や出産も反り腰を助長する原因となります。お腹に赤ちゃんがいる状態は、お腹の重さによって腰が前側に引っ張られて反り腰となってしまいます。お腹が大きい状態が続くことによって腹筋の繊維が伸びてしまいます。腹筋の繊維が伸びたゴムのよう伸びてしまうことで筋が縮むことができなくなり、結果として骨盤が前に倒れやすくなります。また、腰がお腹側に引っ張られる姿勢が長い時間続くため、体がその姿勢を覚えてしまうことも要因の一つとなります。
そり腰の改善方法4撰
最後に反り腰を改善するためのエクササイズをいくつか紹介します。
反り腰を改善するためのポイントは骨盤周りの前後の歪みを解消することになります。そのためには股関節の前側と腰の筋肉のストレッチ、そして腹筋とお尻の筋肉を強化することが必要となります。まずはストレッチ系のメニューからお伝えするので、その後にトレーニングという流れで取り組んでいきましょう。
太もも前のエクササイズ
効果
大腿直筋や腸腰筋といった太ももの前側のストレッチです。太ももの張り感を抑え、スッキリとした状態を作ることができます。
手順
- 1)右足を前に踏み込み、左足は後ろに伸ばします。
- 2)右膝に胸をくっ付けるように上半身を倒し、両手を地面について体を支えます。
- 3)ストレッチ中はお腹に軽く力を入れて腰が反らないようにしましょう。
注意点
ストレッチをするときはお腹を引き締めるように力を入れましょう。お腹に力を入れることで過度に腰が反ってしまうことを防ぐことができます。ストレッチをするときは反動を付けずに息を吐きながらゆっくりと筋を伸ばしていきましょう。
背中のエクササイズ
効果
脊柱起立筋などの背中を反らせる筋肉を伸ばすことができます。腰が張る感じが強い方は朝と寝る前など頻繁に取り入れていくと腰がスッキリします。
手順
- 1)仰向けに寝て両膝を立てます。
- 2)両手で膝を下から抱え、膝を胸の方に近づけていくように背中を丸めます。
- 3)その状態でゆっくり背中を伸ばすイメージを持ちながら深呼吸を3回程度行います。
注意点
両膝を抱える際に呼吸を止めないようにしましょう。息を堪えてしまうと体に力が入ってしまいストレッチの効果が軽減します。力まずにゆっくりと背中の筋を伸ばすようにしましょう。
腹筋のエクササイズ
効果
インナーマッスルや腹直筋など腹筋を全体的に鍛えることができるエクササイズです。下腹部も鍛えられるためぽっこりお腹の解消にも効果的です!
手順
- 1)背中に手の平が1枚入る程度のスペースを作り両膝を90°に曲げます。
- 2)背中のスペースが崩れないように気をつけながら股関節と膝が90°になるように両足を持ち上げます。
- 3)肩甲骨が離れるところまで上半身を持ち上げ、両手が床と平行になるよう伸ばしていきます。
- 4)両手で水面を叩くようなイメージでパタパタ動かしていきます。
注意点
反り腰の方は足を持ち上げてしまうと腰が反りやすくなる傾向があります。腹筋に軽く力を入れてから両足を持ち上げるか両足は挙げずに膝を立てまま実施することがオススメです。そうすることで腰が反りにくくなり腹筋に力が入ってくれます。
両手をパタパタ動かす際に大きく動かしすぎたり、体がブレてしまうとインナーマッスルへの刺激が減ってしまいます。両手を動かすはばはなるべく小さくし体幹がブレないように注意しましょう。
お尻のエクササイズ
効果
大殿筋などお尻の筋肉を鍛えるエクササイズです。ヒップアップ効果も認められるためパンツスタイルも似合うスッキリとした殿部となります。
手順
- 1)仰向けになり脛が床に対して垂直になるように深く曲げます。
- 2)背骨が下の方から1本ずつ離れるイメージでお尻を持ち上げていきます。
- 3)肩甲骨が離れないところまでお尻が持ち上げたら、背骨が1本ずつ戻るようなイメージでスタートのポジションまで戻っていきます。
注意点
お尻を持ち上げる時に腰に力が入る感じがある際は足の形を変えましょう。両足の裏がくっつくようしてお尻を持ち上げるとより殿筋に力が入るようになります。
そり腰を改善して綺麗で健康的な姿勢になろう
反り腰は特に女性に多い姿勢となっています。
反り腰が続いてしまうと腰を痛めてしまう原因となったり、太ももが張って太くなってしまったりと見た目の部分にも影響を与えてしまいます。
1日に数分やテレビなどを見ながらでも良いのでエクササイズを取り入れていくことで綺麗な姿勢になりつつ痛みの出にくい体になるためぜひ取り入れてみてください。
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